2008年12月20日土曜日

(酔)

「おや、ジャック
 何をしているんだい
 お姉さんなんか背負って」
「ああ、近所のおじさん
 今大変なんだ
 お姉さんが寝すぎて酔ってしまって」
「それを言うなら
 酔いすぎて寝てしまって、だろう?」
「ああ、そうともいうね。あんまりかわんないや。
 おじちゃん。
 悪いけれど、ちょっと運ぶの手伝ってくれない?」
「ああ、いいともさ、ジャック。
 よいしょっと。
 ありゃ、案外重いねえ」
ゲシズカドカーン!
「う”ああああぁぁぁぁ!」
「ああ!おじさーん!」
「誰が重いっていうのよ!
 ヴァルハラの向こうまで飛んでけー!
 ……むにゃむにゃ」
「おじさん大丈夫?」
「ああ、大丈夫だとも
 どうやら安らかな死を迎えられそうじゃ。ゲボハッ」
「しなないでおじさーん!」
「ゲボハッ」
「こっちに吐かないでおじさーん!」
「おや、失礼。(くるり)。ゲボハッ」
「自動筆記とはいえなんていい加減な会話なの……
 もう一度脚本入門書でも読み直した方がいいようね
 ……むにゃむにゃ」

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