2008年12月20日土曜日

(酔)

「それは磨き上げられた一つの宝石なのか
 それとも、吐く息のように自然なもので
 ありふれてはいるが
 疑いようもない確かな生きる証なのか」
「お兄様?
 空を仰いで格好つけて、何を呟いているの?
 しかも100円ショップで買ったグレープジュースをワイングラスなんかに入れて
 正直、気持ち悪いわ。
 キモイじゃなくて、気持ち悪いわ。」
「おお、妹よ。
 兄は今、詩について考えていたのだ
 詩はわからぬ、わからぬのだ
 兄もいくつか稚拙な詩を作りちぎっては投げちぎっては投げしてきたのじゃが
 全然まともなものが出来ぬのだ
 何か良いアドバイスはないものか妹よ。」
「そうね、私は専門家じゃないから確かなことは何も言えないけれど……
 ひとつ言えるのは
 やっぱり
 素の自分を出すのがいいと思うの
 人を動かす言葉は常にその人の本心から出た言葉だ
 そう、エロい人が言っていたわ」
「英雄は好色とは言うがそこは
 "エロい"ではなく"偉い"だろう
 いや、しかし分かった!
 確かによい詩というものはその人の生きざまというものが如実に
 偽りなく表れているものだと思う。
 よし!兄も素の自分を出さねば!」
「脱ぐな」

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